たかぎなおこ(著)『150cmライフ。』というコミックエッセイを読みおえた。
背の小さい著者が、地上150cmの高さからみたあれやこれ、感じたりした気持ちをつづったエッセイだ。
おらの身長は177cmだし、女性でもないので、このマンガを読んでいて「あるある」という共感する場面は、正直なところほとんどない。
でも、この本はとても面白かった。
150cmと、ちょっと小さいだけで、そこで感じる世界は、おらとはだいぶ違うみたいだ。
この本には「胴の長さに憧れる」という話がある。
おらには全く意識したことがないコトだが、150cmの著者には、胴の長い女性が「大人の女性」に見えるのだという。
性別も違うし、身体の大きさも違えば、やっぱり、意識する世界は違うのだな。
本は、自分とは違った世界をみせくれて、気づかせてくれるのが、おもしろい。
◆40cmライフ。
そして、150cmからさらに小さくなった40cmライフ。
40cmライフの住人は、ぬこの目線のことである。
昨日、駅からいつもと違う道を帰ってみたら、一匹のぬこが歩いているのを見つけた。
ぬこは、ゆっくり、ゆっくり、歩いていた。
そのスピードにあわせて、おらも、ゆっくり歩いてみた。
ぬこが見ている目線にあわせて、ちょっとしゃがんでみたりもした。
ぬこは、おらに気づいているようで、でも、足を急がせることもなく、マイペースでテコテコ歩いていた。
人間の作った「アスファルトの道」も歩けば、その横にある草木の生えた「ぬこの道」も歩く。
ぬこの彼が見ている世界は、おらとは、やっぱり違う。
同じ世界に住んでいて、同じような道を歩いているけども、感じている世界はやっぱり違う。
ぬこだけではなく、みんなそれぞれ、同じ世界に住んでいながらも、感じている世界は違うんだな、と。