と思って、先日、裁判所に行ってきた。
裁判所へ行くのははじめて。
被告人でも、原告でもなく、たんなる見学者として裁判を傍聴してきたので、そのことについてまとめてみる。
◆裁判へ行くきっかけ
もともと、裁判には興味があった。
ゲームでは、逆転裁判シリーズが好きだし、映画では『12人の優しい日本人』をみたり、書籍では、よりみちパン!セ『気分はもう、裁判長』を読んだりしていた。
それとは別に、Nisshi.inで、裁判のことを書いていた人がいて、その文を読んで刺激を受けて、足を運んでみたしだい。
◆裁判所へ入ってみよう
裁判所は平日の午前と午後にわかれてやっているのは知っていた。
当日は、新橋でお昼を食べてから、午後一番の裁判を傍聴することにした。
最初、東京の家庭裁判所へ行ったのだけど、当日は公判が無く、東京高裁へと案内された。
デジカメの持ち込みがNGなのは知っていたのだけど、普段からデジカメを持ち歩いているので、その日も持っていた。
飛行機の搭乗チェックのような場所があり、金属物をだしたり、カバンを検査機にかけたりする。
その場所で「デジカメ持ってきてしまったんですが、預けるんでしょうか?」と聞いたところ、ガードマン(?)の女性は「カバンから出さなければいいですよ」とのことで、通してもらえた。
もちろん、撮影は一切していないので、この記事には写真がない。
◆傍聴してみよう
東京高裁へ入ると、受付のカウンターがあり、そこに本日の裁判のリストがバインダーにとじられている。
それを自由に見ることができ、裁判を傍聴できる。
某NTTの文字がみえたので、そこへ行ってみることにした。
傍聴席にはいるときは、傍聴の心得のようなものが掲示されていて、寝ちゃダメとか、うるさくしないとか、書かれている。
緊張しながら、扉を開けると、立ち見が出るほどの大盛況。いや、裁判の傍聴で、大盛況って言って良いのかわからないけど。
時間的には、裁判がはじまったばかり。おらが入る数分前からスタートしてた。
が、裁判長はなにやら、次回の裁判の日程を決めはじめた。今日は、証拠を受理して、日程を決めただけみたい。
肩すかしをくらったようだが、おれの、最初の裁判の傍聴はこうして数分で終わった。
◆わいせつ罪の裁判を傍聴する
その後に、わいせつ罪の裁判を傍聴してみた。
こっちは、中国人のマッサージ士が、女性客にマッサージをしていたところ、むらむらして、えろいことをしたという罪。
逆転裁判のような、裁判長が木槌でカン!ってやることもないし、成歩堂くんのような弁護士が「異議ありっ!」て叫ぶシーンもないし、検察官が鞭を振り回すこともない。
裁判長はひげをたくわえてつるっぱげ、ではなく、若い女性の裁判官で、30代になるかならないかくらいに見えた。
その裁判官の進行のもと、たんたんと、犯行の状況を確認していく弁護士。
わいせつに及ぶまでの話はながく、被告人が日本に暮らし始めるところから、職を転々とする話やら、ずっと続いた。
裁判は、おらにとっては、「非日常」の世界だが、裁判官や検察や弁護士は、いつもの「日常」なんだろうなというのが、なにか、ゾッとした。
また、聞いているウチに、事情を説明している被告人と、なんだか気持ちがシンクロしてくるような感じがして、これまた、ゾッとした。
おらが、その場面にいて、同じように女性をマッサージしてて、むらむらしたら、犯罪をおこすのだろうかと…。
おらは、ずっとずっとメモしていた。速記の書記官と同じようにメモしていたのは、おらだけだった。眠っている人もいたし(居眠りは禁止なのに)。
おらが、裁判の被告人になるか、原告になるか、または陪審員になるかは分からないが、できることなら、この空間にはあまりきたくないと思った。
今回のように、傍聴人としての裁判所と、実際に当事者になったときとは、まるで違って見えるんだろうなと、想像した。
裁判所は、人生の色んな人が交差している場所だ。
この時の裁判所に行ったときのメモを、また読み返すときに、それを思い返すのだろう。
◆裁判所へ行こう
だれにでも裁判所の陪審員になる可能性のある昨今、一度は裁判所へ行ってみるのをすすめたい。
そして、もしかしたら、陪審員制度を見なおしてほしくなるかもしれない。
おらは、人が人を裁くって、素人が判断するのは、なかなか難しいのではないかと思えた。
本だけでは分からないものを体験したことは、よい体験だったと思う。